西山の権現さん [長草のポイント]
長草の西の方、睡蓮で有名な白魦池(しらはいけ)のほとり、小高く土盛られた天辺に小さな祠がある。小さいけれども、そのたたずまいは、ただならぬものを感じさせる。祠の両脇に常夜灯、またその脇に2本の筒状のものが地面から突き出していて、その正体の分からなさに、ますます目を引きつけられる。
地元では「西山の権現さん」と呼び親しまれ、隣の公園とともに子供の遊び場になっていたり、夏には、ここを中心に祭りが開かれたりするそうだ。
しかし、中に祀られる石造りの一体は、どう見ても権現様には見えない。郷土史などで調べてみると、これは権現様ではなく、行者(役行者)だということが分かってくる。
この辺りの民間信仰の一端が伺われ、また、行者を権現様と呼ぶあたり...興味は尽きない。
ただ、区画整理や道路拡幅、堤防の改修などで、周辺の石仏や道標が、本来の位置から移動させられたり、行方知れずになっていたりする事を思うと、今でもただならぬ雰囲気を持つこの祠は、そうした変化に対して一種の神通力を使って、生き延びているのではないかとさえ思えてくる。
※西山の権現さん・白魦池の位置は、こちらのマップから確認できます。
http://buzzmap.so-net.ne.jp/nagakusa/
※白魦池周辺の写真は、左の列でスライドショーをしています。
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